細胞の構造

生物学

細胞とは?

細胞とは、生物の最も基本的な構成単位のことです。

人間の身体はすべて細胞の集まりでできているということです。

細胞が集まって組織を形成し、それが集まって器官(胃や肝臓など)になり、それが集まって個体(ヒト)を形成します。

細胞には何があるの?

真核生物や原核生物によって異なりますが、その話はとりあえずおいといて…

まずは細胞の中身を理解しましょう!

細胞には3つの構造があります。

細胞膜細胞質です。

細胞膜とは?

細胞膜とは、細胞を取り巻いている膜のことです。

細胞の内外で物質を運んだり、放出したりするときに通ります。

細胞膜は脂質二重層という二層構造になっており、コレステロールや、物質を輸送するためのタンパク質が存在しています。

タンパク質には糖鎖が結合しており、細胞同士を識別する働きを持ちます。タンパク質に名札がついてるような状態です。

このタンパク質は、エネルギーを必要としない受動輸送と、エネルギーを必要とする能動輸送を行います。

これによって酸素や栄養素などの必要なものを細胞内に取り入れ、二酸化炭素や老廃物などの不要なものを細胞外に放出しています。

細胞膜の構造について詳しくはこちらのページで解説しています!

細胞質とは?

細胞質は、液状成分である細胞質基質と、固形の細胞小器官からなります。

細胞小器官にはミトコンドリア、リボソーム、リソソーム、ゴルジ体、粗面小胞体、滑面小胞体、中心体などがあります。

ミトコンドリアとは

ミトコンドリアとは、エネルギー作る構造のことです。

エネルギーはATPの形で作られ、貯蔵されます。

ミトコンドリアは二重の膜で構成されており、内側の膜(内膜)にはクリステと呼ばれるひだがついています。

リボソームとは

リボソームとは、タンパク質を作る構造のことです。

RNAから情報を読み取って、アミノ酸をくっつけることでタンパク質を作ります。

リソソームとは

リソソームとは、いらないものを処理する構造のことです。

異物や不要物を再利用可能なものとそうでないものに分けて、いらないものは加水分解酵素で処理します。

ゴルジ体とは

ゴルジ装置とも呼ばれます。

ゴルジ体は、タンパク質を加工する構造です。

リボソームで作られたタンパク質を濃縮し、細胞外に放出します。

粗面小胞体とは

粗面小胞体とは、タンパク質の修飾や輸送を行う構造です。

粗面小胞体の表面にはリボソームが付着しており、ここでタンパク質が作られます。

このタンパク質は粗面小胞体を通ってグリコシル化などの修飾を受け、機能や性質の変化を受けます。

その後ゴルジ体などに輸送されて、さらに加工を受けます。

滑面小胞体とは

滑面小胞体とは、コレステロールの合成や分解・カルシウムの貯蔵を行う構造です。

「滑面」なので表面にリボソームは付着しておらず滑らかです。そのためタンパク質の合成などには関与していません。

カルシウムはイオンとして生体内で非常に重要な役割を担っています。

ほかにも脂質を代謝する働きも持ちます。

中心体とは

中心体とは、細胞分裂をサポートする構造です。

中心体は筒状の中心小体が2本セットになったものです。中心小体は微小管がたくさん集まってできています。

細胞分裂をする際に、染色体に紡錘糸がくっついて、分裂する染色体を誘導します。

染色体が移動するレールのような役割を果たします。

この紡錘糸の正体は、中心体の微小管なのです。

核とは?

核とは、細胞のあらゆる情報が集まっている構造で。おおむね球体の形をしています。

核は核膜という2重の膜に覆われており、そこには核膜孔という孔が開いています。
この核膜孔を通して様々な物質が核の内外を行き来します。

核膜の内側には核ラミナが裏打ちしています。
これは核の球形を保つための構造で、ビスが突き刺さっているイメージです。

核の内部にはクロマチン(染色体)があり、これはDNAとタンパク質が合わさったものを指します。

核の中心部には核小体があり、リボソームの合成が行われています。

まとめ

  • 細胞には細胞膜・細胞質・核がある
  • 細胞膜は脂質二重層の構造になっている
  • 細胞質には様々な細胞小器官が存在する
  • 核は球体の構造で、遺伝情報がある

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